トコブシの生態と旬の時期は?販売値段と価格相場はいくら?

トコブシは見た目や味、食感などがアワビとよく似ているため、稀に小型のアワビと混同している方を見かけますが、両者は別の種類の貝です。

ここではアワビ並みに味が良いと知られ、おせち料理にもよく用いられるトコブシの生態旬の時期販売値段価格相場について深掘りしていきます。

トコブシの生態・特徴

トコブシは古腹足上目ミミガイ科に属する海生貝の1種です。その形状からは想像しにくいですが、アワビともども巻貝に分類されています。

外見はアワビとよく似ていますが、大きさは最大でも殻長7cm、殻幅5cm、殻高2cmほどで、アワビほど大きくはなりません。

殻の外側は黒色から褐色をしているのに対し、内側は真珠層に覆われて強い光沢を持ちます。

小型のアワビとトコブシは、殻に開く穴の数や形状で見分けることが可能です。

アワビの場合は4~5個の穴があるのに対して、トコブシは6~8個の穴が見られます。

また、アワビは穴の周辺が火山の噴火口のように盛り上がっているのに対して、トコブシにはそのような形状は見られません。

この穴は、エラ呼吸のために取り込んだ水や排泄物を放出する用途で使用される他、放精や放卵にも用いられます。

 

産卵期は9~10月頃で、この時期になると成熟した個体から放精・放卵が行われ、体外受精が成されます。

受精卵は1~2日でふ化しトロコフォア幼生が誕生。その後ベリジャー幼生を経て稚貝へと変態します。

両幼生期間は数日間だけですが、摂食はせず卵黄の養分だけで稚貝になることが可能です。

稚貝は最初の頃は珪藻などの粘液を摂取して成長しますが、ある程度まで大きくなると海藻類を食べるようになります。

殻の穴は稚貝の頃から見られ、成長とともに新しい穴が開き、古い穴から塞がっていきますが、常時6~8個は開いています。

また、穴から排出される有機物を求め、キクスズメガイという貝が殻に付着している場合が多いです。

 

トコブシの生息場所

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トコブシは北海道南部から九州にかけての日本海及び太平洋沿岸部、並びに台湾沿岸部に分布しています。

潮間帯から水深10mほどまでの浅い岩礁帯に生息しており、普段は岩などに張り付き褐藻などの海藻類を食べています。

トコブシの旬の時期

トコブシの旬は5~8月頃です。

この時期は産卵を控えて、栄養が蓄えられているので身が充実しています。

しかし、流通量では12月が最も多くなる傾向が強いです。

なぜなら、トコブシはフクダメ(福溜)の別名があり、その字面から縁起物としておせち料理によく用いられるからです。

新鮮なものは生食にも適していますが、アワビと比べて身が小さく熱を加えても硬くなりにくいので、煮つけや焼き物にして食べるのに向いています。

 

トコブシの販売値段と価格相場

トコブシは一昔前では磯などで普通に採取できましたが、近年では数の減少にともない価格もアワビほどではありませんが高騰しています。

2017年の築地市場での卸売価格は1kg当たり平均3256円でした。

トコブシの主な産地は徳島県や高知県、三重県などで、稚貝の放流も行われています。

しかし、国内での漁獲量だけでは需要に追い付かないので、主に台湾からの輸入品も数多く流通しています。

小売価格としては1kg当たり5000~6000円ほどで販売されていることが多いようです。

まとめ

・トコブシの特徴はアワビとよく似ている小さめの貝

・トコブシの旬の時期は産卵を控えて栄養を蓄える5月~8月頃

・トコブシの販売値段の相場は1kg当たりで3256円ほど

サザエの生態と旬の時期は?販売値段と価格相場はいくら?

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