「空を飛ぶこと」は、鳥類のもつ大きな特徴の一つですが、ペンギンをはじめとした一部の鳥は飛ぶことができません。
ペンギンはなぜ空を飛べないのか、昔からずっと空を飛べないのか、、、皆さんはどれくらいご存知でしょうか?
今回はペンギンの飛べない理由や進化の過程、祖先などについて解説します。
ペンギンが飛べない理由
ペンギンの体には短いものの羽毛が生え、基本的な骨格も空を飛ぶ鳥とほとんど同じです。
それなのに、なぜペンギンは空を飛ぶことができないのでしょうか?
最も大きな原因は「翼の形」です。
風をつかまえて飛翔したり、羽ばたいて自分の体を持ち上げる鳥と違い、ペンギンの翼は体に対しての大きさが小さく、1枚の板のような形になっています。
ペンギンの翼は「フリッパー」とよばれますが、空を飛ばず水中を泳ぐ方向に進化した結果、水の抵抗を受けにくいような形状になってきました。
水中で速度を落とさないような小さくスムーズな形になり、動かし方も水をかくような動作になったため、もはや空を飛ぶための役割を失ってしまったのです。
また、空を飛ぶ鳥の骨は、体を軽くする必要があることから中がスカスカで大変軽くなっています。
一方ペンギンは水中にもぐる必要があり、水深の深いところでは水圧で骨が折れてしまわないよう、骨の中がしっかりとしたものに変化しました。
ペンギンの先祖について
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ペンギンの翼はどう頑張っても空を飛ぶことができない形状ですが、骨格をよくみると、空を飛んでいたころの名鳥と考えられるような特徴がみられます。
空を飛ぶ鳥には、翼をはばたかせるための大きな筋肉がつく竜骨突起という突起がありますが、ペンギンの骨にも竜骨突起が存在するのです。
また、飛行時に重要な役割を果たす尾羽を支える尾推骨をもっていることも、大きな証拠です。
すなわち、もともと空を飛ぶことができた鳥の翼が退化し、海に潜ることが得意なペンギンの先祖が現れたと考えられています。
ペンギンの仲間で見つかっている化石のうち、最も古いものは今から5千~6千万年前の地層から発見されたもので、プロトペンギン(原ペンギン)とよばれています。
ペンギンの進化の過程
プロトペンギンをはじめとするペンギン類の化石や分子生物学的な研究の結果から、ペンギンの先祖が地上に現れたのは1億4千万~1億6千万年前の白亜紀だと考えられています。
それまで空を飛ぶことのできた鳥が、飛行能力を捨てて海での生活を送るようになった真の理由は明らかになっていません。
一部の科学者は、「海での生活を選択し泳ぎに特化することで、海中の魚などの豊富な餌が手に入るようになったことが要因ではないか」と考えています。
また、「ペンギンの生息地が海の多い南半球であり、天敵となるような陸上動物に出会うことがなかったことも、空を飛ぶ必要がなくなった原因ではないか」という意見もあるようです。
より早く水中を泳げるよう、ペンギンの羽は少しずつ退化し、数千万年かけて現在のようなペンギンらしい体になっていきました。
現在地球上に存在するペンギンの中で最も原始的なのは、骨格やDNAの特徴からコガタペンギン(リトルペンギン)だといわれています。
数千万年の歴史がある彼らを、これからも守っていきたいものですね。
まとめ
・ペンギンが飛べない主な原因は翼の形にあり、ペンギンの翼は体に対しての大きさが小さく、1枚の板のような形になっている
・ペンギンの祖先はもともと空を飛ぶことができた鳥の翼が退化し、海に潜ることが得意な鳥類だと考えられている
・ペンギンが飛行能力を捨てて海での生活を送るようになった真の理由は明らかになっていない
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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