クルマエビは言わずと知れた高級エビで、その味の良さから需要が高く、今日では伊勢海老と並ぶほどの高級食材として扱われています。
ここではクルマエビについて生態や旬の時期、販売値段、価格相場などをご紹介します。
クルマエビの生態・特徴
クルマエビはエビ目クルマエビ科に属する海水生のエビの1種です。
体は細長い円筒状で、脚は短くてしっかりとしています。
褐色の縞模様が体全体に入り、頭側にある足の前から1~3番目がハサミになっているのが特徴です。
体長は通常15~20cmほどですが、オスよりもメスの方が大きくなり、メスの中には体長30cmまでに達する個体も見られます。
名前の由来は、体を丸めた際に縞模様が車輪のように見えることから来ています。
クルマエビは漁業関係者の間では、サイズによって別の呼び方をされています。
その呼称は、10cm程度の小型のもので「細巻き(サイマキ)」、15cm程度の中型のものを「巻き(マキ)」、20cmほどの大きなものは「車(クルマ)」、それ以上に大きなものは「大車(オオグルマ)」です。
産卵期は6~9月頃です。
エビ類は産卵後、メスが卵を抱いてふ化まで面倒を見る種類が多いですが、クルマエビは卵を抱かずに放卵します。
メスは交尾後、一度の産卵で70万~100万粒を産み落とし、その卵の直径は0.3mmほどです。受精卵は半日ほどでふ化し、ノープリウス幼生が誕生。
その後、ゾエア幼生・ミシス幼生・ポストラーバ幼生を経て、稚エビへと変態します。
食性は藻類や貝類、多毛類や他の動物の死骸など何でも食べる雑食性です。
クルマエビの生息場所
Sponsored Link
クルマエビは国内においては北海道南部から沖縄県までに分布しています。
国外では朝鮮半島から中国・台湾に加えて、東南アジアからオーストラリア北部、さらには地中海東部やインド洋にも分布しており、その生息域は幅広いです。
水深15~25mほどまでの砂泥底に生息しており、昼間は砂や泥の中に潜って身を潜めていますが、夜になると餌を求めて活動を始める夜行性です。
クルマエビの旬の時期
クルマエビの旬は12~2月頃です。
この時期のクルマエビは冬眠のために身に栄養が蓄えられており、旨味成分であるアミノ酸のグリシンの含有量が1年で最も多くなります。
一方で、産卵前の夏の時期は苦味の原因となるアミノ酸のアルギニンが増加し、グリシンが減少するので旬の時期とは味に大きな差が出ると言われています。
クルマエビの身は良質なタンパク質が多く、脂肪が少ないので低カロリーです。
また、グリシンをはじめとする、旨味成分であるアミノ酸が豊富に含まれているので、非常に味が良いエビとして知られています。
新鮮なものは生食にも適しており、江戸前寿司では欠かせない寿司タネです。
しかし、クルマエビは足が早いので家庭で生食をする場合は注意してください。
加熱すると甘味が増すので天ぷらや塩焼きなどでも美味しく食べることができます。
クルマエビの値段・相場
クルマエビは西日本を中心に漁獲されていますが、天然物は開発などの影響で少なくなっています。
現在、市場を支えているものはほとんどが養殖物で、他にも中国や台湾、オーストラリアなどからの輸入物も数多く流通しています。
2017年の築地市場での国産クルマエビの卸売価格は1kg当たり平均で7402円でした。
輸入物の値段は同じく、5725円とやや安価ではありますが、高級食材であることは変わりません。
小売価格としては活きクルマエビの状態で、1kg当たり12000~15000円前後が相場であることが多いようです。
まとめ
・クルマエビは褐色の縞模様が体全体に入り、頭側にある足の前から3番目がハサミになっているのが特徴
・クルマエビは12月から2月に冬眠のために身に栄養が蓄えられ旬を迎える
・国産クルマエビの卸売価格は1kg当たり平均で7402円とかなりの高級食材
最後まで読んでくれた方、ありがとうございました!
Sponsored Link
生き物好きの方にシェアしてこの情報を届けませんか?
記事が参考になったという方は
FBなどで「いいね!」もお願いします^^!