ボタンエビは一昔前の個体数減少の影響で漁獲量も減少しており、現在ではほとんど流通していません。
代わりにボタンエビとして流通しているのは近縁種であるトヤマエビなどで、いずれも高値で取引されています。
ここではボタンエビの生態や旬の時期、価格相場などについてご紹介します。
ボタンエビの生態・特徴
ボタンエビはエビ目タラバエビ科に属する海水生のエビの1種です。
成体の体長は20cmほどに達する大型のエビで、体色は赤色を帯びたオレンジ色をしており、死後に鮮度が落ちてくると次第に黄色が強くなります。
腹部の側面には濃い赤色の斑点が2つ並んでおり、殻は薄くて外から内臓が透けて見えます。
頭部にある角状の突起が長く、頭部の殻と同等か1.5倍程度にまで伸長します。
産卵期は2~5月頃で、直径2.7mm前後の卵を700~1200粒ほど産卵し、メスが1年ほど抱卵した後にふ化します。
ボタンエビの繁殖法は雄性先熟と呼ばれる方法です。
これは、若い個体は全てがオスとして繁殖に参加し、成長と共にメスへと性転換する繁殖形態です。
そのため、ボタンエビの大型の個体は全てメスで、生後4年を迎える頃にはほぼ全てがメスになることが報告されています。
ボタンエビの生息場所
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ボタンエビは北海道の内浦湾から高知県の土佐湾にかけて分布している日本固有種です。
ボタンエビが見られるのは太平洋側のみで日本海側には生息していません。
水深300~500mに位置する大陸棚と深海の境界付近に生息しており、南に行くほど深い場所にいる傾向が強いです。
ボタンエビの旬の時期
ボタンエビの旬は10~5月頃です。
しかし、この時期は漁の最盛期という意味での旬で、ボタンエビは深海性で抱卵期が長いので、味の面での旬についてははっきりしていません。
それでも、その身は強い甘味と濃厚な旨味を併せ持ち、大変に美味しいエビとして知られています。
新鮮なものは生食にも適しており、刺身や寿司タネとして味わうと、ボタンエビが本来持つ甘味や旨味を存分に楽しむことが可能です。
また、加熱することで身が程よく締まり、エビ類に共通する歯ごたえも楽しめます。
そのため、塩焼きなどの焼き物や天ぷらなどの揚げ物との相性も抜群です。
さらに、ミソも旨味が強いので、頭部は味噌汁などの汁物にすると、大変に美味しく食べることができます。
ボタンエビの値段・相場
近年は徐々に回復してきてはいますが、ボタンエビは漁獲量そのものが少ないので市場への入荷も少なく、卸売価格は高値で安定して推移しています。
ボタンエビは一時期、市場から姿を消すほど減少したことがあり、その時に近縁種である「トヤマエビ」がボタンエビとして流通したことがあります。
その時の慣習が現在でも残っており、今日に市場に流通しているボタンエビのほとんどはトヤマエビです。
また、輸入物も見かけると思いますが、前述したようにボタンエビは日本の固有種なので、厳密にはボタンエビではなくその近縁種です。
以上のように、市場では近縁種が全てボタンエビとして扱われているので、種として純粋なボタンエビを家庭で入手することは困難だと言えるでしょう。
これらのボタンエビの小売価格としては、1kg当たり5000~9000円ほどが相場であることが多いようです。
まとめ
・ボタンエビの大型の個体は全てメスで、生後4年を迎える頃にはほぼ全てがメスになる
・ボタンエビの旬の時期は漁の最盛期という意味での旬で、味の面での旬についてははっきりしていない
・ボタンエビの小売価格としては1kg当たり5000~9000円ほどが相場である
最後まで読んでくれた方、ありがとうございました!
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