ヒメアマエビは鹿児島湾でのみ漁獲されているエビです。
一昔前までは商品価値がみなされておらず、もっぱら産地で消費される存在でしたが、現在では鹿児島県の特産品として評価されています。
その味は名前の通り甘エビに似て大変に美味しいと言われています。
ここではヒメアマエビの生態や食材としての情報をご紹介します。
ヒメアマエビの生態・特徴
ヒメアマエビはエビ目タラバエビ科に属する海水生のエビの1種です。
成体の体長は5~7cm程度の小型のエビで、体色は全身が透明感のあるピンク色をしています。
額角(がっかく:エビの頭部前方にある角状の突起物)が非常に長く、頭部の殻と同等かそれ以上に伸長し、体節のところどころには色の濃い部分があります。
歩脚は全体的に細長くて、後ろに行くにしたがって長くなり、一番後ろの歩脚はまっすぐに伸ばすと、額角を除いた頭部の殻の長さよりも長くなります。
歩脚を含む殻は全体的に軟らかい一方で、額角は非常に硬いので取り扱いには注意が必要です。
ヒメアマエビは古くから鹿児島県の鹿児島湾で漁獲されていましたが、2009年以前は商品価値が認められておらず、名前も付けられていないエビでした。
もっぱら産地の鹿児島県で消費されるエビでしたが、2009年に鹿児島大学水産学部の研究により、同種が鹿児島湾の固有種であることが判明。
味が甘エビ(ホッコクアカエビ)に似ており、甘エビよりも華奢な体形をしていることから「姫甘エビ」と名付けられました。
ヒメアマエビの生息場所
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ヒメアマエビは鹿児島県の鹿児島湾にのみ生息しています。
鹿児島湾は地元では錦江湾と呼ばれており、桜島の噴火の影響でカルデラ地形を形成しています。
そのため、内湾でありながら水深が深いことが特徴です。
ヒメアマエビはそのカルデラ地形の水深100~200mほどの場所に生息しています。
ヒメアマエビの旬の時期
ヒメアマエビの明確な旬の時期は不明です。
しかしながら、漁は産卵期である6月を除けば1年を通して行われており、季節による味の差などは聞かれないため、通年で旬だと言っても差し支えないと思われます。
味は名前の由来の通りに甘エビに似て甘味があり、火を通すとエビ類が持つ特有の風味が強くなります。
甘エビよりも小型なので調理がやや煩雑ですが、生食にも適しており新鮮なものは刺身や寿司タネにすると美味です。
また、殻が軟らかいので、そのままかき揚げなどの揚げ物にすると身と殻の風味に加えて、パリパリとした殻の食感も楽しめます。
また、味噌汁などの汁物にしても、甘味が溶け込んだ良い出汁が出るのでおすすめです。
ヒメアマエビは額角が長くて硬いので、調理の際は頭部を取り外してから利用すると良いでしょう。
ヒメアマエビの値段・相場
ヒメアマエビは鹿児島県とその周辺以外ではほとんど流通していません。
ただ、一昔前までは商品価値が認められていませんでいたが、現在では鹿児島県の特産品として評価されており、市場にも希に入荷があります。
市場価格としては1kg当たり1500円ほどで取り引きされているようです。
しかしながら、資源保護の目的から漁が制限されているため流通量が少なく、小売の現場に出るのはほとんどが加工品です。
主な形態としてはさつま揚げや素揚げ、海老カツやエビカレーなどで、ものによっては好評のために品薄になっている商品もあります。
まとめ
・ヒメアマエビは古くから鹿児島県の鹿児島湾で漁獲されているエビ
・ヒメアマエビは季節による味の差などは聞かれないため、通年で旬だと言っても差し支えない
・ヒメアマエビは流通こそはしていないものの市場価格としては1kg当たり1500円ほど
最後まで読んでくれた方、ありがとうございました!
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