キスは白身が美味しい魚で天ぷらが有名ですが、新鮮なものは生食にも適しています。
また、釣りの対象魚としても人気があり、釣期にはキス目当ての釣り人で海岸線がにぎわう光景を目にできます。
ここではキスの生態や旬の時期、販売値段や価格相場などについても紹介していきます。
キスの生態・特徴
キスはスズキ目キス科に属する海水魚の総称です。
単にキスと呼ぶ場合は一般的には「シロギス」のことを指し、ここでもシロギスについて紹介します。
魚体は細長い紡錘形でやや側扁し、体長は20~30cm前後。
体色は銀色を基調に、背中側はやや黄色を帯びています。
同じキス科の「アオギス」とよく似ていますが、背びれが半透明で斑紋が入らないことで見分けられます。
元々は「キスゴ」と呼ばれていましたが、時代の変遷とともに最後の「ゴ」が省略され、現在の一般的な呼称である「キス」の呼称に至ったというのが定説です。
しかし、現在でもキスゴと呼ぶ地域は多く、他にも「マギス」や「アカギス」などの地方名を持ちます。
比較的浅い海の砂底地に多く見られ、身に危険を感じると砂に潜る習性があります。
産卵期は6~10月頃で、分離性浮遊卵を産みます。
稚魚は内湾の海藻帯で生活し、成長するとともに深い場所へと移動していきます。
2年ほどで性成熟し、その時の体長は14cmほどです。
幼魚の頃は主にカイアシ類などの動物プランクトンを捕食し、成魚になるとオキアミなどの小型の甲殻類や多毛類を食べるようになります。
キスの生息場所
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キスは国内では北海道南部から九州にかけての沿岸部、国外では朝鮮半島南部から台湾、フィリピンの沿岸部など東アジア地域に幅広く分布しています。
内湾や沿岸部の砂底を好んで生息し、海水温が高い時期は水深20mほどまでの浅場で生活しますが、海水温が低くなると水深約50mまでの深場へと移動します。
キスの旬の時期
キスの旬は5~7月頃です。
この時期のキスは産卵を控えて栄養が蓄えられているので、身が充実しており食べ頃を迎えます。
キスの身は透明感のある淡白な白身で、脂がしつこくないので上品な旨味があります。
新鮮なものは刺身や寿司にすると大変に美味です。
また、皮にも独特な旨味があるので、塩焼きや焼き霜造りなどの調理法とも合います。
さらに、小骨も硬くないので、背開きにしたものを天ぷらやフライなど、揚げ物にしても美味しいです。
ただ、出汁はあまりとれないので、汁物にしたい場合は澄まし汁やお吸い物の具材として身を入れると、上品な味わいを楽しめます。
キスの販売値段・価格相場
キスは北海道と沖縄を除いた全国の沿岸部で漁獲されていますが、近年では漁獲量が減少しています。
それにともない価格も上昇し、現在では卸売価格は高値で安定して推移しています。
2017年の築地市場におけるキスの平均卸売価格は1kg当たり2519円でした。
キスは需要が高い魚なので国産の他、近縁種の輸入も盛んに行われており、鮮魚・冷凍ともに流通量が多いです。
小売価格としては鮮魚で1kg当たり4000~5000円、冷凍の輸入物ですと1kg当たり2000円ほどが価格層であることが多いようです。
まとめ
・単にキスと呼ぶ場合は一般的には「シロギス」のことを指す
・キスは産卵を控えて栄養が蓄えられているので、5~7月頃に身が充実して食べ頃
・キスの小売価格としては鮮魚で1kg当たり4000~5000円、冷凍の輸入物ですと1kg当たり2000円ほど
最後まで読んでくれた方、ありがとうございました!
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