ハマグリは誰もが知る美味しい貝で、殻つきのまま焼いたり味噌汁などの汁物も絶品です。
しかし、私たちが口にしているハマグリは、実はほとんどが近縁種であることをご存知でしょうか。
ここではハマグリの生態や食材としての情報、販売値段や価格相場についても紹介していきます。
ハマグリの生態・特徴
ハマグリはマルスダレガイ目マルスダレガイ科に属する海水生2枚貝の1種です。
殻長8~10cm、殻高6cmほどのやや大型の貝で、全体のフォルムは扇形に近い形をしています。
殻の色は白色から暗褐色で、帯状にまだら模様が入る個体やジグザグの模様が入る個体など、殻に入る模様はバリエーション豊かです。
日本においては古来より食用として重要な貝で、一昔前までは北海道と沖縄県を除く全国各地の干潟などで採取できました。
しかし、高度成長期による埋め立てや海洋汚染の影響で急激に数が減少し、現在ではまとまった数が漁獲できる漁場は数えるほどしか残存していません。
そのため、ハマグリは2012年に絶滅危惧種に指定されました。国内で流通しているハマグリは近縁種の「チョウセンハマグリ」や「シナハマグリ」がほとんどで、本種はほとんど流通していません。
産卵期は5~10月で、繁殖はオスとメスがそれぞれ放精・放卵することにより、体外受精で行われます。
受精卵がふ化して誕生した幼生はベリジャー幼生と呼ばれ、海中を漂うプランクトン期を経て稚貝へと変態し、海底に生活の場を移します。
ハマグリは体から粘液を多量に分泌し、その粘液が長い帯状になることで海流の流れに乗り、かなり広い範囲を移動できることが知られています。
ハマグリの生息場所
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ハマグリは北海道南部から九州にかけて分布しています。
特に汽水域を好み、内湾の干潟から水深10mほどの砂泥底に生息しています。
しかし、近年の数の減少により、すでに姿を消してしまった場所も多いようです。
通常は砂や泥に潜り、植物プランクトンやデトリタス(他の生物が分泌した有機物や死骸)を捕食して生活しています。
ハマグリの旬の時期
ハマグリの旬は2~4月頃です。
この時期のハマグリは産卵を控えて、栄養分が蓄えられているので身が充実しています。
ハマグリの身はグリシンやグルタミン酸など、旨味と感じるアミノ酸が豊富に含まれており、加熱してもあまり硬くなりません。
非常に良い出汁が取れるので、汁物との相性は抜群によく、殻つきのまま焼いても美味しく食べることができます。
ハマグリの値段・相場
前述しましたが、ハマグリはその数を急激に減らしており、市場にほとんど流通していません。
現在、ハマグリとして流通しているのは、近縁種のチョウセンハマグリやシナハマグリがほとんどです。
これらのハマグリを全て合わせた、2017年の築地市場での卸売価格としては1kg当たり平均1081円でした。
小売価格としては1kg当たり3000円前後で販売されていることが多いようです。
主な産地としては、有明海を擁する熊本県や瀬戸内海を擁する大分県などで、茨城県の鹿島灘や千葉県の九十九里浜で採れるものはチョウセンハマグリです。
また、最近になって流通している東京湾で漁獲されたものは、放流されたシナハマグリです。
まとめ
・古来より食用として重要な貝で、一昔前までは各地の干潟で見られた貝
・ハマグリの旬は産卵を控えて栄養分が蓄えられている2~4月頃
・ハマグリは1kg当たり3000円前後で販売されていることが多い
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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