アカガイは寿司タネにも用いられる美味しい貝で、特に江戸前寿司では欠かせない食材です。
缶詰も市販されるなど、日本では食材として古くから親しまれていた貝ですが、近年では漁獲量の減少とともに国産物を中心に高級食材と化しています。
今回はアカガイの生態や旬の時期、販売値段について深掘りしていきます。
アカガイの生態・特徴
アカガイはフネガイ目フネガイ科に属する海水生2枚貝の1種です。
殻長12cm、殻高10cm前後に達する二枚貝で、殻は膨らみを持ちます。
殻の全体が黒褐色の毛で覆われており、36~42本の肋(ろく)と呼ばれる線が入ります。
この肋はアカガイの近縁種に共通してみられる特徴ですが、種類によって入る数が決まっているので、品種を見分ける判断材料の1つとして重要です。
貝類では珍しく、酸素の運搬役としてヘモグロビンを血中に持っているので身が赤みを帯びて見え、和名の由来にもなっています。
ヘモグロビンは酸素運搬能力が高いのでアカガイは酸素が少ない環境でも生きることができます。
また、食材として見た場合はヘモグロビン由来の鉄により、他の貝類よりも鉄分が豊富に含まれることが特徴です。
産卵期は5~10月頃ですが、20℃前後の水温が産卵のトリガーとなるので、地域によって差が生じます。
アカガイは殻長4.4cmほどで性成熟し、産卵期になると放精・放卵が行われ体外受精が成されます。
受精卵の直径は約0.05mmで、ふ化した幼生は約3週間の浮遊生活を経て稚貝へと変態。
その後、着底して海底へと生活の場を移します。約10ヶ月で殻長3cmほどにまで成長し、殻長が10cmを超えるまでには約5年の歳月を要します。
アカガイの生息場所
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アカガイは北海道南部から九州地方の日本海、並びに太平洋沿岸部、ウラジオストクがあるプリモルスキー地方から朝鮮半島、中国、台湾の沿岸部にかけて分布しています。
浅場から水深50mほどまでの砂泥地に生息し、普段は砂や泥の中に潜り各種プランクトンを捕食しています。
アカガイの旬の時期
アカガイは産卵期前は生殖腺が発達するとともに身が痩せ、産卵が終わり再び栄養を蓄えると身が充実します。
よって、旬は産卵期とその前後を除いた時期である12~3月頃です。
寿司や刺身など生食にも適しており、江戸前寿司では欠かせないタネとなっています。
他にも、小型の個体や内臓は甘辛く味付けした煮物や佃煮などにして調理されることが多いです。
アカガイの販売値段と価格相場
アカガイは一昔前までは内湾で普通に漁獲できていたので、価格も安く庶民の食材でした。
しかし、高度成長期での埋め立てや海洋汚染により数が激減し、国産のものは高級品と化してしまいました。
国内での主要な生産地は宮城県や長崎県、愛知県などですが、国産品のみでは需要に追い付かないため、市場には多くの輸入品が流通しています。
主な輸入先としてはロシア、中国、韓国で、輸入物は比較的安価で取引されています。
国産品と輸入品を含めた築地市場での2017年における卸売価格は1kg当たり平均495円でした。
小売価格としては輸入物で1kg当たり3000円前後、国産品は1kg当たり5000円以上で販売されていることが多いようです。
ちなみに、アカガイと称して販売されている缶詰には、近縁種である「サルボウガイ」が使用されています。
まとめ
・アカガイは潮干狩りでもよく見かける身が赤いことが特徴の二枚貝
・アカガイの旬は産卵期とその前後を除いた時期である12~3月頃
・国産品と輸入品を含めた築地市場での2017年における卸売価格は1kg当たり平均495円
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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