日本人はカニが大好きです。タラバガニやケガニ、タカアシガニなど様々なカニをごちそうとしていただきます。
そんな日本人でも「ベニツケガニ」というカニの名前はあまり聞いたことがないでしょう。
ベニツケガニはガザミなどのワタリガニの仲間ですが、食卓に上ることがほとんどないカニなんです。
今回はそんなベニツケガニの生態と名前の由来、味、料理、食べ方についてご紹介します。
ベニツケガニの生態
ベニツケガニは十脚目ワタリガニ科に属するカニの一種です。
甲羅の幅は7~8㎝ほどと大きく、さらにしっかりとしたはさみを持っているため、1匹だけでもかなり存在感があります。
日本では房総南東より南の地域に分布しており、水深20~30mほどのところにある岩場に生息していることが多いです。
浅瀬やタイドプールにいることもあるため、海水浴の時に目にする可能性がありますが、はさみの力が強く、挟まれると大変痛いためうかつに手を出さないようにしてください。
日本以外では中国、シンガポール、インドネシア、オーストラリアなどの海域で確認されています。
甲羅やはさみはビロードのような短い毛でおおわれています。
ワタリガニの仲間らしく、一番後ろの脚はオールのような平たい形をしているのも特徴です。
ベニツケガニの近縁種にはヒメベニツケガニやフタバベニツケガニなどがいます。
よく似た見た目をしているものが多く、特に小さい個体では分類に苦労します。
ベニツケガニは額(甲羅の前縁部、目と目の間)に半円を描いたような突起が6つ(6歯)あり、前側縁(目の横から甲羅側部までの部分)には棘が5つ(5歯)ありますが前から4番目の棘が短い、という特徴があります。
魚やエビなどを捕食します。夜行性のため、昼間はそれほど見られませんが、夜になると岩の隙間から現れ、その強いはさみを使って餌をとらえるのです。
ベニツケガニの名前の由来・意味
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ベニツケガニ(紅付蟹)の名前は、その体色に由来しています。
ベニツケガニの体はその大部分が茶褐色から暗緑色ですが、甲羅の周縁やはさみの縁が赤く縁どられた様に色づいているのです。
この様子から「紅をつけたカニ」=ベニツケガニという和名になりました。
若い個体の方がこの赤みが強いです。
色の鮮やかな個体は観賞用として販売されることもあります。
ベニツケガニの味
比較的大型のカニでありながらも、ベニツケガニは食用として流通することがほとんどありません。
調理しても味が薄く、うまみが少ないというのが理由のようです。
他のカニやイセエビの漁をするとベニツケガニが網に入ってくることがありますが、ほとんどの漁師さんはそのまま海に帰してしまいます。
ベニツケガニを一度食してみたい!という方は漁師さんにお願いするか、観賞用で売られている個体を購入する、もしくは自分で海に潜って捕獲するしかないでしょう。
ベニツケガニの食べ方・料理
上記の通り、ベニツケガニはほとんど食用にされないため、その調理法や食べ方の情報も多くありません。
とはいえ、毒をもっているというわけでもなく、食べようと思えば食べられます。
他のカニと同様に塩ゆでにしたり、味噌汁に入れたりするのがおすすめです。
もしこれを読んでいるあなたがベニツケガニを食べてみたら、ぜひその味を報告してみてください!
まとめ
・ベニツケガニは甲羅の幅は7~8㎝ほどのワタリガニの仲間
・ベニツケガニは「紅をつけたカニ」=ベニツケガニという和名となった
・ベニツケガニは他のカニと同様に塩ゆでにしたり、味噌汁に入れたりすると良い
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最後まで読んでくれた方、ありがとうございました!
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