カニの中でも特に高値で取引されるタラバガニ。
ぷりぷりの身に閉じ込められた甘みとうまみは、何物にも代えられない至福の味です。
このタラバガニによく似た生き物で、同じように食用とされる「アブラガニ」がいますが、両種にはどんな違いがあるかご存知でしょうか?
今回はアブラガニとタラバガニの違いや見分けのポイント、値段の相場を解説します。
アブラガニとタラバガニの違い
アブラガニ(油蟹)とタラバガニ(鱈場蟹)は、いずれもエビ目タラバガニ科タラバガニ属に分類されています。
同属であり近縁な関係にある両種はよく似ており、アブラガニが「タラバガニ」と偽って流通されるという食品偽装問題が起きたこともありました。
大きさを比べると、アブラガニはタラバガニよりも小さめです。
アブラガニとタラバガニは大きさや漁期に違いがあります。
アブラガニは漁が1月から6月(冬~春~初夏)に行われますが、タラバガニの場合は7月から12月(夏~秋~初冬)がメインです。
漁の時期が重ならないので、アブラガニかタラバガニかを選ばなければ、年中美味しいカニを楽しむことができます。
味の評価はタラバガニの方が高いですが、上手に調理をすればアブラガニもタラバガニに負けないくらいおいしく味わえるといわれており、近年は人気も急上昇中です。
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アブラガニとタラバガニの見分け方
どちらも食用として流通するアブラガニとタラバガニ。
味はタラバガニの方が甘みがあるとされており、値段もずっと高くなりますが、むき身の状態になっていると両種を見分けることはほとんど不可能です。
この2種を見分けるのに重要なポイントは「甲羅」にあります。
アブラガニやタラバガニの甲羅には、真ん中にアルファベットの「H」のようなへこみがあるのをご存知でしょうか?
この「H」型の中央にある溝より下部の領域を心域と呼ぶのですが、この心域にある棘のような突起の数をチェックしましょう。
タラバガニでは6本の突起に対し、アブラガニの突起は4本なのが確認できます。
ただし、アブラガニの中にもまれに5本や6本の突起をもつものが現れることがあるので、この突起の数だけで100%見分けられるとは限りません。
そんなときは、甲羅の上部、目と目の間にある角を観察してみてください。
角の表面には小さな棘がありますが、この棘が4本または5本であればアブラガニ、3本であればタラバガニです。
さらに見分けの助けになるのが、腹面のいわゆる「ふんどし」部分にある棘です。
タラバガニのふんどしには棘が並んでいるのに対し、アブラガニではデコボコとしているだけで、鋭い棘がありません。
これらの複数のポイントをチェックして、アブラガニかタラバガニかをしっかり確認しましょう。
アブラガニとタラバガニの値段相場
アブラガニやタラバガニの価格は、サイズ、冷凍、生、ボイルの有無など、販売形態によって大きく異なります。
ボイル済みの冷凍された肩(脚の根元がつながるように裁断され、甲羅がない状態のもの)で比較すると、アブラガニは1㎏あたり6000~8000円ほど、タラバガニは7000円以上であることがほとんどです。
その差は1000~2000円ほどですが、季節や条件が合えば、アブラガニとタラバガニがほとんど同じくらいの価格で手に入るでしょう。
両種をそろえて食べ比べをしてみるのもよいかもしれませんね!
まとめ
・アブラガニとタラバガニは同属でよく似ているが、大きさや漁期に違いがある。
・アブラガニとタラバガニを見分けるには、甲羅や角、ふんどしの棘をチェックする。
・アブラガニとタラバガニではアブラガニの方が安価だが、同程度の価格になることもある。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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