ウミトンボ(海蜻蛉)、ウミナメクジ(海蛞蝓)、そしてウミフクロウ(海梟)…名前だけを見てこれらがどんな動物か想像できますか?
実は、これらはすべてウミウシの仲間につけられた名前です。
面白い和名をもつものが多いウミウシ類ですが、その生態や姿かたちも興味深いものばかりです。
そんな中でも「海のフクロウ」なんて呼ばれるウミウシがどんな生き物なのか?
今回はそんなウミフクロウの生態や餌、飼育できるのか、また販売値段はどれくらいなのか紹介していきます。
ウミフクロウの生態
ウミフクロウは腹足鋼カメノコフシエラガイ科に属する軟体動物で、ウミウシの一種です。黄灰色~褐色の体色に網目のような模様があります。
大きさは数cmの小さなものから10㎝に近づくほどのものなど様々で、大きな個体では全長が11㎝ほどにもなります。
その名前は「フクロウに似ている」ことからつけられました。
真上から見ると、ちょこんと突き出た触覚がミミズクの耳羽のように見えます。
体色も相まって、楕円に近い体がフクロウの胴体のように見えてくるのです。
日本沿岸では青森県以南に広く分布しています。
日本以外ではニュージーランドやオーストラリアなどでも見られる種です。
浅瀬~水深20mくらいの場所に住み、日中は石の下や隙間などに潜んでいます。
夜になると活動が活発になり、餌を探して砂地をはい回る姿が観察されます。
冬場になると、産卵のために浅いところまでやってくることが増えるようです。
ウミフクロウの餌
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ウミフクロウはとにかくいろいろなものを食べることで知られており、「海の掃除屋」と呼ばれることもあります。
ヨコエビやゴカイ、クモヒトデ、死んだ魚やイカなどをどんどん食べてしまうのです。
時には他のウミウシを食べることもあります。
ウミフクロウの卵
冬から春にかけての時期、岩場や貝殻、海藻の上などに白いひも状の卵塊を生みつけます。
卵塊をよく観察すると、小さな卵が無数に連なっていることが分かります。
自然界では孵化の前に卵塊が他の生き物に食べられてしまうことが少なくありません。
産卵を終えたウミフクロウは、そのまま死んでしまうことが多いのだそうです。
ウミフクロウは飼育できるのか
ウミフクロウは他の有名なウミウシと比べて体色が派手ではないためか、それほど観賞用として重要視されていません。
しかしながら、海水水槽で飼育することは可能です。
むしろ、海水のアクアリウムを楽しむ人たちの間では、ウミフクロウは「増えすぎたイソギンチャクの退治をしてくれる生き物」として利用されています。
サンゴを飼育する水槽では、セイタカイソギンチャク(通称カーリー)という生き物が大繁殖することがあります。
カーリーには毒性があるため、大量にいると見栄えが悪くなるだけでなく、水槽中のほかの生き物に悪影響が出るのです。
そのような水槽にウミフクロウを入れると、カーリーをもりもり食べてくれます。
ただし、飼育しているほかの生き物まで食べてしまう可能性もあるので、油断しないようにしましょう。
ウミウシの中では比較的飼育しやすい種のようです。
ウミフクロウの販売値段
前述のように、ウミフクロウはカーリーに悩まされている人に人気です。
生体を購入する場合、2000~4000円程度の値段がつけられます。
浅いところでの捕獲が容易になる冬の時期には入荷が増える傾向があるようなので、ウミフクロウの購入を考えている方は冬場のチェックを欠かさないようにしましょう。
まとめ
・ウミフクロウは真上から見ると、ちょこんと突き出た触覚がミミズクの耳羽のように見える
・ウミフクロウは海水水槽で飼育することは可能で比較的飼育もしやすい
・ウミフクロウの生体は2000~4000円程度の値段で販売されている
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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