サヨリは高級魚として扱われており、特に大型のものは料亭などの高級店に卸されるので、小売店で目にすることは稀です。
また、釣りの対象魚として人気の魚種で、関東ではサヨリ釣りは冬の風物詩となっています。
ここではサヨリの生態や旬の時期、販売値段、価格相場などについてご紹介します。
サヨリの生態・特徴

サヨリはダツ目サヨリ科に属する海水魚の1種です。
魚体は細長く側扁し、体長は30~40cm前後。
体色は銀色を基調に背中側は青色から緑色を帯びています。
背びれと尻びれが魚体のかなり後方にあり、下顎が突出して長くなるフォルムが特徴的です。
下顎の先端は鮮やかな紅色をしていますが、死後は色あせてしまいます。
サヨリの身は透明感のある白身なのに対し、腹膜は黒一色です。
このことから、意外と腹黒い人を指す表現に使われることがあります。
漁業関係者の間では、小さいサイズの個体は「エンピツ」、40cmに迫る大きい個体は「カンヌキ」と呼ぶこともあります。
カンヌキは大変な高級魚で料亭などの高級店に卸されるので、鮮魚として小売店で見かけることはほとんどありません。
産卵期は4~8月頃で、北に行くほど遅くなることが知られており、直径2mmほどの粘着卵を海藻に産み付けます。
ふ化直後の稚魚は体長7mmほどで、下顎は突出していません。
体長2~3cmほどになると下顎が伸長し始め、体長25cmほどにまで成長すると成魚と変わらない姿になります。
海水面の近くを遊泳し主に動物プランクトンを捕食していますが、海藻の切れ端なども食べる雑食性です。
サヨリの生息場所
サヨリは国内においては小笠原諸島と琉球列島を除く全国各地の沿岸部に、国外では樺太から台湾にかけての沿岸部に分布しています。
内湾や沿岸といった比較的浅い場所の水面近くを群れを作って回遊しており、稀に汽水域に入り込むこともあります。
サヨリの旬の時期
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サヨリの旬の時期は12~3月頃です。
サヨリは繁殖を控えて生殖器官が発達してくると味が落ちると言われているので、産卵期に入るよりも前の時期が食べ頃です。
そのため、旬の時期は産地によって異なり、西日本の方では冬頃に、東日本では春頃に旬を迎えます。
サヨリの身は透明感のある上質な白身で、旬のものは脂が程よく乗り強い旨味を持ちます。
新鮮なものは刺身や寿司など生食にも適しており、皮にも独特な風味があるので塩焼きや天ぷらなどの揚げ物にしても美味しいです。
旬のサヨリは身自体の旨味が強いので、ソテーなどの味を追加する調理法よりも、素材の味を楽しめる調理法をおすすめします。
サヨリの値段・相場

サヨリは年間を通して漁獲されていますが、漁獲量は少ないため市場価格は高値で安定しています。
2017年の築地市場におけるサヨリの平均卸売価格は1kg当たり2876円でした。
小売価格としては1kg当たり3000~4000円が相場ですが、サイズが大きいものほど高値が付きます。
主な産地は日本海側は石川県、太平洋側では千葉県や神奈川県で、それらに加えて瀬戸内海に面した香川県や広島県などが挙げられます。
まとめ
・サヨリは背びれと尻びれが魚体のかなり後方にあり、下顎が突出して長くなるフォルムが特徴的
・サヨリは生殖器が発達すると味が落ちるので産卵期に入るよりも前の時期が食べ頃
・サヨリの小売価格としては1kg当たり3000~4000円が相場
最後まで読んでくれた方、ありがとうございました!
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