カメノテは国内の沿岸部で普通に見られる生物で、一見すると貝のようですが実はカニやエビといった甲殻類の仲間なのです。
独特な形状の殻の中にある身は美味しく、沿岸地域では古くから食材として消費されており、近年ではスーパーなど小売店でも目にするようになりました。
ここではカメノテの生態や生息地、旬の時期、販売値段、価格相場などについてご紹介します。
カメノテの生態・特徴
カメノテは有柄目ミョウガガイ科に属する甲殻類の1種です。
一見すると貝のようですが、生物学的にはエビやカニと同じ甲殻類に分類されており、日本全国の海で群生している様子を普通に見ることが可能です。
体長は3~4cmほどが普通ですが、大きいものは7cm前後に達することもあります。
柄の部分と爪のような三角形の硬い殻の部位に分けられ、柄の部分はうろこ状の殻に覆われており、色は黒色から暗褐色。中には筋肉質の組織が収納されていて、この部位がカメノテの可食部です。
爪状の部位は4~5本が見られ、柄部との境にはさらに小型の三角形の殻が18~28本、環状に並びます。
爪状の部位の中には、貝柱や蔓脚(まんきゃく)と呼ばれる、捕食行動時などに使う器官が収納されていますが、食用にはあまり適していません。
カメノテは「亀の手」とも表記し、名前の由来は読んで字のごとく、形状が亀の手に似ていることから来ています。
同種とその近縁種は外国の海にも生息しており、東南アジアなどで食用として親しまれています。
特にスペインでは「ペルセベス」と呼ばれ、高級食材として重宝されています。
産卵期は6~8月頃で、卵からふ化した幼生はプランクトンを捕食しながら成長し、変態後は岩などに固着して、その場で一生を過ごします。
カメノテは雌雄同体ですが、通常は別の個体と交尾を行います。
カメノテの生息場所
Sponsored Link
カメノテは北海道南部から沖縄県および、マレー半島までの東シナ海と南シナ海の沿岸部に分布しています。
潮間帯にある岩礁域に生息し、岩の割れ目やテトラポットの間などに集団で固着し、プランクトンなどを捕食して生活しています。
カメノテの旬の時期
カメノテの旬は5~8月頃です。
この時期のカメノテは、産卵を控えて身に栄養が蓄えられているので、美味しいと言われています。
カメノテの可食部は柄の部分に収納されている筋肉質の部分です。
味は甲殻類の仲間だけあり、旨味成分の1つであるコハク酸が豊富に含まれており、エビと貝を合わせたような濃厚な旨味があります。
調理法としては、シンプルに塩ゆでにしても良いですし、酒蒸しにしても美味しく食べることができます。
また、非常に良い出汁が取れるので、みそ汁の具材としての相性も抜群です。
カメノテの販売値段と価格相場
カメノテは全国の沿岸部で普通に採取できる生物ですが、商業漁業の対象として漁獲している地域は少ないです。
さらに、一昔前までは産地で消費される傾向が強く、市場には流通していませんでした。
しかし、近年では少数ながら市場に流通しており、主に九州・四国地方から出荷されています。
市場価格はやや高値で安定していて、小売価格としては1kg当たり3000~4000円前後で販売されていることが多いようです。
まとめ
・カメノテは柄の部分と爪のような三角形の硬い殻の部位に分けられ、柄の部分はうろこ状の殻に覆われている
・カメノテは産卵を控えて栄養が蓄えられる5~8月頃が旬
・カメノテは小売価格としては1kg当たり3000~4000円前後で販売されている
カサゴは毒があるけど食べられる?刺された時の症状と処置方法は?
Sponsored Link
海の幸好きの方にシェアしてこの情報を届けませんか?
記事が参考になったという方は
FBなどで「いいね!」もお願いします^^!