「クラゲ」と聞くとどんな生き物を思い浮かべるでしょうか?
手のひらサイズくらいで透明に近い傘をもち、長い触手で時には人間を刺してくる…そんなイメージはありませんか?
今回ご紹介する「エチゼンクラゲ」はそんなイメージとは全く逆のクラゲです。
褐色でよく目立ち、時には人よりも大きくなり、その重さで漁業の網を破ったり、船を転覆させることすらある巨大なクラゲなんですよ!
エチゼンクラゲの生態だけではなく、その毒性などについても見てみましょう。
エチゼンクラゲの生態
エチゼンクラゲは根口クラゲ目ビゼンクラゲ科に属する大型のクラゲです。
褐色で分厚い傘を持ち、海の中でもよく目立ちます。
特筆すべきはその大きさで、傘の直径が1~2m、重さが150~200㎏(湿重量)になることもあります。
このエチゼンクラゲが漁の網などに引っかかると破損の原因になり、時にはその重さで網を揚げられず船が転覆するなどの被害が出ることから、各地で問題視されています。
大量発生して漁業に大きな被害が出た、というニュースを耳にすることもありますよね。
「エチゼンクラゲ」という地名が冠された名前ですが、これは国内で初めて標本にされた個体が福井県で捕れたものだったというだけで、福井と特別な関係があるわけではありません。
実は、エチゼンクラゲが発生するのは日本近海ではなく、中国や韓国周辺の渤海、黄海、東シナ海などです。
これらの場所で繁殖したエチゼンクラゲの子どもが海流に乗って日本沿岸へとやってきます。
昔はごくまれに大量発生するだけでしたが、近年は毎年のようにたくさんのエチゼンクラゲが日本にやってくるようになりました。
これは、地球の温暖化でエチゼンクラゲが育ちやすくなっていることや、魚などの乱獲でプランクトンを食べる競争相手がいなくなり、エチゼンクラゲの個体数が増えているためではないか、と考えられています。
エチゼンクラゲの毒性
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エチゼンクラゲの触手には他の多くのクラゲ類と同様に、毒があります。
普段はこの毒で獲物をしびれさせ、捕食しているようですが…実はエチゼンクラゲの毒はそれほど強くありません。
人間が刺されると、患部がひりひりしたり、かゆくなったりする程度の症状しか現れないといいます。
ただし、連日エチゼンクラゲに刺されるような状況にある場合は、皮膚のかゆみや腫れが強くなることもあるようです。
なお、海がはげしく荒れた後などには、海辺にエチゼンクラゲが打ち上げられていることがあるかもしれません。
死んでしまっていても、クラゲの触手にある刺胞は、しばらくの間毒を発射することができます。
浜辺などで打ちあがっている個体を見つけても、念のため、安易に近寄って触れたりしないよう注意しましょう。
エチゼンクラゲに刺されたときの対処法
一般的に、海水浴やシュノーケリングなどの海のレジャーでエチゼンクラゲに出会う機会はそれほど多くありません。
エチゼンクラゲに接する機会が多いのは、外洋に漁に出る漁師さんや船舶関係の方です。
何らかのきっかけで刺されることがあっても、毒性はそれほど強くないので、刺された部分を海水でさっと洗う程度でOKです。
もし患部がひどく痛んだり、体に不調が現れるようであれば、病院に行って診察を受けましょう。
まとめ
・エチゼンクラゲは傘が直径1~2mもなる大型のクラゲ
・エチゼンクラゲの見た目にインパクトはあるが毒性は強くない
・エチゼンクラゲに刺されたら、患部を洗って様子を見る
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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