アイゴは国内の沿岸部で普通に見られる海水魚で、引きが強いので釣りの対象として人気があります。
しかし、毒棘を持っており刺されると大変な痛みを生じるので、取り扱いには注意が必要です。
ここではアイゴの生態や毒性、刺された時の対処法などをご紹介します。
アイゴの特徴・生態
アイゴはスズキ目アイゴ科に属する海水魚の1種です。
魚体は細長い楕円形で強く側扁し、成魚の体長は30cm前後です。
体色は背中側は褐色や灰褐色で黄色を帯びており、腹側は銀白色をしています。
全身に白色の斑点が見られますが、アイゴは周囲の環境により体色や斑点の色を変えることが可能です。
産卵期は7~8月頃で、沈降性の粘着卵を海藻などに産み付けます。
アイゴは国内では青森県以南から沖縄県の沿岸部に生息しており、特に本州中部から南の海に多く見られます。
国外では朝鮮半島南部からオーストラリア北部の沿岸部に分布しており、西太平洋の温暖な海で広く見られる魚です。
アイゴは水深50mまでの比較的浅い岩礁帯や藻場に生息しており、食性は雑食性で甲殻類や多毛類など動物質の他に、特に藻類を好んで摂食します。
そのため、近年では「磯焼け」と呼ばれる、沿岸部にある藻場の海藻類が消失する一因として問題視されることもあります。
アイゴは消化器官が長いためか磯臭さが強く、刺毒を持つこともあり食用としてはあまり一般的ではありません。
食用とする地域はほとんどが西日本で、東日本で食用とされることは稀です。
アイゴの臭みは内臓に由来するものなので、新鮮なうちに捌いて内臓を取り除いてしまえば美味しく食べることができます。
アイゴの毒性・毒の成分
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アイゴの背びれと腹びれ、尻びれには棘があり、その棘に刺されると毒液が注入される仕組みがあります。
この毒はアイゴが死んでも消えることがないので、取り扱いには注意が必要です。
毒の成分としては、タンパク質性の毒素であることは判明していますが、詳しい物質名などは分かっていません。
刺されると患部が腫れあがって激しい痛みを生じ、痺れや麻痺などの症状が出る場合もあります。
通常は半日程度も経過すれば自然治癒しますが、症状が抜けなかったり別の症状が出た場合は、医療機関での診療が必要です。
アイゴに刺された時の対処法
アイゴに刺された場合は、まず患部を清潔な水で洗って綺麗にし、細菌などによる2次感染を防ぎます。
この時、患部に棘が残っていた場合は、ピンセットなどで慎重に取り除いてください。
次に、患部を圧迫して可能な限り毒を絞り出します。
口を使って吸い出すのは、口の中に傷や虫歯があった場合、そこから毒が入り痛みが生じるのでおすすめできません。
ポイズンリムーバーと呼ばれる、毒を吸い出すための応急器具を用いることも効果的なので、磯など刺毒魚がいる場所に出かける時は携行すると良いでしょう。
毒を絞り出したら火傷をしない程度の熱いお湯を用意して、患部の周辺を加熱します。
なぜなら、アイゴの毒素はタンパク質に由来するものなので、加熱してタンパク質を変質させてしまえば、毒としての機能を失うからです。
ここまでの応急処置を行えば痛みもかなり軽減されるはずですが、刺されてから12時間以上が経過しても症状が改善されない場合などは、医療機関で診察を受けてください。
まとめ
・アイゴは長いためか磯臭さが強く、刺毒を持つこともあり食用としては適さない
・アイゴの毒の成分はタンパク質性の毒素であることは判明している
・アイゴに刺された場合は応急処置をして痛みがひかない場合は医療機関の診察を受けるべき
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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