皆さんはサルボウガイという貝をご存知でしょうか。
聞きなれない名前かと思いますが、小型のアカガイと形容できるほどアカガイと見た目や味が似ており、古くから食用として親しまれてきました。
ここではサルボウガイの生態や旬の時期、販売値段と価格相場についてご紹介していきます。
サルボウガイの生態・特徴
サルボウガイはフネガイ目フネガイ科に属する海水生2枚貝の1種です。
殻長5~6cmほどの小型の貝で、殻には30~34本の肋(ろく)と呼ばれる線が放射状に入ります。
殻の色は白色を基調に、個体によっては肋に沿って褐色の線が入ったり、殻の縁が暗褐色に染まる場合もあります。
アカガイの近縁種で、見た目や味なども似ており、古くから食用として親しまれてきました。
アカガイと同じく、貝類としては珍しく血中にヘモグロビンを持つので、身は赤みを帯びて見えます。
漢字では「猿頬貝」と書き、名前の由来は丸みを帯びて膨らんだ貝殻が、食べ物を口いっぱいに頬張った猿の頬のようであることから来ています。
産卵期は6~10月頃で、繁殖は産卵・放精により体外受精で行われます。
受精卵は24時間以内にふ化して幼生が誕生。
2~3週間の浮遊生活を経て稚貝に変態し、足糸と呼ばれる繊維状の分泌物を出して海藻などに付着します。
その後、殻長が1.2~1.5cmほどに成長すると生活の場を海底へと移し、ここまでに要する期間は誕生から3~6ヶ月ほどです。
海底へと移ったサルボウガイは砂や泥の中へ潜り、プランクトンを捕食して成長します。
サルボウガイの生息場所
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サルボウガイは、日本国内では東京湾から九州の有明海にかけて分布しており、国外では極東ロシアのプリモルスキー地方から朝鮮半島、中国にかけて生息しています。
内湾の潮間帯から水深10mほどまでの砂泥地で見られ、普段は砂や泥の中に潜り各種プランクトンを捕食しています。
サルボウガイの旬の時期
サルボウガイの旬は12~3月頃です。
なぜなら、産卵期とその直前は味が落ちるとされており、産卵直後は身が痩せているからです。
サルボウガイは小さいので、捌くのが少々手間ではありますが、新鮮なものは生食にも適しています。
そのため、刺身にしてもアカガイと同様においしく食べることが可能です。
その他には、熱を通しても身が硬くなりにくいことから、殻ごと蒸したりむき身を佃煮や炊き込みご飯にする調理法も一般的です。
サルボウガイの値段・相場
サルボウガイは古くから食用として親しまれてきましたが、近年の環境の変化によりその数を減らしています。
流通量も減少傾向にありますが、食の多様性などの要因で市場価格はそれほど高騰していません。
しかし、殻付きの活きサルボウガイは産地で消費される傾向が強いので、私たちが小売店で目にする機会はあまりないと思います。
サルボウガイは主に加工品として市場に流通しています。
実は、アカガイの缶詰に使用されている貝はサルボウガイなのです。
価格としては加工品だと千差万別ですが、65~70gの缶詰1つ当たり150円前後で販売されていることが多いようです。
まとめ
・サルボウガイはアカガイの近縁種で、見た目や味なども似ており、古くから食用として親しまれていた
・サルボウガイの旬は産卵前の12~3月頃
・サルボウガイは小売価格として65~70gの缶詰1つ当たり150円前後で販売されていることが多い
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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