見た目が植物のような不思議な生き物であるウミシダやウミユリは、ヒトデやウニと同じ棘皮動物の仲間です。
どちらも海底に生息し、なかなか動き回る姿を見るのが難しい生き物ですが、両者にはどんな違いがあるのでしょうか?
今回は、ウミシダとウミユリのそれぞれの特徴や違いなどについてご紹介します。
水族館に行く前などにチェックすれば、鑑賞がもっと楽しくなることうけあいです!
ウミシダの特徴
ウミシダは棘皮動物門ウミユリ綱ウミシダ目に分類される動物の総称です。
日本周辺の海にはもちろんのこと、正解中の海に広く生息していますが、特に種類が多いのは熱帯の海です。
地球上には三畳紀の終わりごろに出現したとみられ、「生きた化石」と称されることもあります。
ウミシダは動物であるにもかかわらず、あまり動き回らない生活を送ります。
海底の岩などにしがみつき、たくさんの関節をもった腕を海中に向かって伸ばしているのです。
それぞれの腕からは「羽肢」とよばれる小さな腕が枝分かれするようについていて、まさにシダ植物の葉っぱのように見えます。
わさわさと生えている腕をかき分け、体の中心を上から見ると、口や肛門が存在する口盤があります。
海中の有機物を捕らえ、口盤の口まで運んで食べているんです。
海の生き物に詳しくない人が見たら植物にしか見えないようなウミシダですが、本物のシダとは違ってその体色は実にさまざま。
赤やピンク、黄色、白、黒など種によってはとてもカラフルで、水族館や海水アクアリウムでも珍重されています。
ウミユリの特徴
ウミユリは棘皮動物門ウミユリ綱の動物で、いくつかの目に分かれています。
生息域は主に深海ですので、海に遊びに行ったところでお目にかかれることはまずありません。
ウミシダ同様「生きた化石」と呼ばれることがありますが、ウミシダが中生代の三畳紀末に出現するよりも早く、古生代カンブリア紀の中頃に誕生したと考えられています。
ウミユリの外見はとても特徴的です。
ユリの花が長い茎をもち、てっぺんに大きな花を咲かせる姿を想像してみてください。
ウミユリの体の構造もユリによく似ており、茎のように見える支持体のてっぺんから、花びらのように見えるたくさんの腕がでています。
「柄の上にの上にウミシダがのっている」というように言ってもよいかもしれません。
支持体で岩などに固着し、海中の有機物などをとらえて餌としています。
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ウミシダとウミユリの違い
ウミシダとウミユリを見分けるのは簡単です。
ウミシダは腕の根元にある小さな腕で岩などにしがみついているため、まるで岩からシダの歯のような腕が直接生えているように見えます。
一方、ウミユリはすらりと伸びた支持体で岩などに付着し、その上から腕が生えています。
陸上植物のシダやユリをイメージすれば、名前を間違えることはないでしょう。
植物みたいだけど泳ぐ種類もいる?
まるで植物のようなウミシダとウミユリですが、じつは全く動けないわけではなく、まれに海中を泳ぎ回ることがあるんです。
とくに小さめのウミシダは、岩に絡めている腕をほどくことで簡単に体を動かせるようになります。
たくさんの腕をふわふわと上下に動かせば、ある程度遊泳することが可能です。
ウミユリの場合はウミシダほど頻繁ではありませんが、やはりそれまでいた場所を離れて移動することができるといいます。
不思議な生態をもつ、面白い海の生き物ですね!
まとめ
・ウミシダとウミユリはいずれも棘皮動物門ウミユリ綱の動物
・ウミシダは腕の根元で岩などに張り付くが、ウミユリは支持体で張り付き、支持体のてっぺんに腕がある
・ウミシダやウミユリは泳いで移動することがある
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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