干潟には大きい物から小さなものまで様々な生き物が暮らしています。
潮の満ち引きによって海の底になったり、陸上になったりと環境変化が大きいのが干潟の特徴です。
干潟の生き物には環境に適応するためか、面白い特徴や習性をもったものがたくさんいます。
今回は干潟に住む小さなカニの一種であるチゴガニの生態や食性、餌、ダンスのようなウェービングについて紹介していきます。
チゴガニの生態
チゴガニはエビ目スナガニ科に属する小さなカニの仲間です。
甲羅は横長の四角形に近い形で、幅は1㎝ほどにしかなりません。
甲羅は全体的に灰色がかった褐色ですが、はさみの先は白くなっています。
腹面や口の周辺が明るい青色になっているものもいます。
日本では四国や九州を含め、東京湾より南の地域沿岸域に分布しており、海外では朝鮮半島南部でも見られる種です。
干潟の泥を掘って巣穴を作りますが、潮が引いている間はほとんど巣の外で活動します。
それぞれの巣は周囲20~30㎝ほどがその巣の主の縄張りとなっており、巣が密集しすぎるということはありません。
初夏になるとチゴガニの繁殖期が始まります。
卵からかえったチゴガニはプランクトンとして海中を漂い、2週間ほどすると干潟に定着して暮らすようになります。
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チゴガニの食性と餌
チゴガニの餌は泥の中に含まれる有機物(デトリタス)です。
泥をはさみですくい、口の中でこしとって食べていきます。
食べ終わった後の泥は団子のように丸くなりその場へ放置されるため、チゴガニがどこで食事をしたかが一目瞭然です。
多くの場合は巣穴を取り囲むようにして放射状に泥団子が残されます。
もしコロコロとした泥団子を見つけたら、その周囲をよく見てみましょう。
チゴガニの巣穴を観察することができますよ。
チゴガニのウェービングについて
チゴガニに特徴的なのが「ウェービング」と呼ばれる行動です。
食事の後、オスは両方のはさみを上げ、何かを招くように上下にはさみを動かすのです。
1匹がウェービングを始めると、なぜかその周囲にいるチゴガニのオスもつられるようにしてウェービングを始めます。
ウェービングをする個体は次から次へと増えていき、たくさんのオスが一斉にはさみを動かす不思議な光景になるのです。
チゴガニが狭い範囲に数多くいるような群れでは、まるで干潟全体が動いているようにみえることもあります。
それではなぜチゴガニのオスはウェービングという行動をするのでしょうか?
ウェービングはオスしか行わないことから、メスへのアピールやほかのオスへの威嚇なのではないかと考えられていますが、はっきりとしたことはわかっていないのが現状です。
チゴガニの捕獲方法
潮が引いている時、チゴガニは陸上で行動しますが、巣を離れて遠くまで移動することはあまりありません。
大型の生き物が近づいてくるとすぐに自分の巣穴へ向かい巣に潜ってしまうため、捕まえるのが難しい生き物です。
しかし、一度巣に隠れたチゴガニは数分もすると様子をうかがいながら巣の外へ出てきます。
この時に木の棒やスコップなどをチゴガニの巣穴に向かってななめに突き刺します。
こうするとチゴガニの巣の通り道を途中でふさぐことができ、チゴガニが巣の奥に戻れなくなります。
他の巣へ逃げ隠れる前に、手でさっと捕まえましょう。
まとめ
・チゴガニは泥をはさみですくって口の中でこしとって食べる
・チゴガニのウェービングはメスへの求愛や他のオスへの威嚇だと考えられている
・チゴガニは巣穴に向かって斜めに突き刺すことで巣に逃げられる前に捕まえられる
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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